2013年12月21日土曜日

「酸っぱい!」が長続きしないのはなぜ?

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もうすぐ、クリスマス。
プレゼントはもうお決まりでしょうか。
私は、珍しい調味料のセットを検討しています。




今回は、『酸味』についての、お話です。





















(画像は、アプリコットとオレンジのビネガー。最近のお気に入りです。)





酸っぱい味は、長続きしないことが知られています。

酸っぱい味の酸、つまり水素イオンですが、
唾液にはこの水素イオンを減らす働きがあります。

唾液に含まれている重炭酸イオンがその働きを担っていますが、
これを水素イオンの緩衝作用といいます。


酸っぱい食べ物の代表、
梅干し、レモンなどを想像するだけでも唾液が出てくるのは、
条件反射とよばれる現象です。

以前食べた酸っぱい味を覚えているために、
考えただけでも唾液が出てしまうのです。

実際に酸っぱい食べ物を食べなくても、
口の中では酸っぱい味を弱める準備が出来ているというわけです。


実は、唾液に含まれる成分は、
出てくるスピードによって変化することが知られています。

食事中の唾液の重炭酸イオンの濃度
食事をしていない時よりも、
なんと約五十倍にも増加しているのです。

反射的に、「酸っぱい」を中和しようとする仕組みが、
酸味を長続きさせない理由だったのです。





2013年12月2日月曜日

鼻をつまむと、ピーマンが食べやすくなる理由

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早いもので、今年も残りあと一カ月。
来年にうまくバトンを渡せるよう、
残りの日数を、大切に過ごしていければと思います。

今回は、「風味」の話です。
舌の味蕾は味を識別し、鼻の神経はにおいをかぎ分け、
それらの情報が脳で1つに統合されることにより、「風味」として認識されます。















鼻をつまむと、苦手なものでも食べられてしまうのはなぜでしょう?


子供の頃、トマトやピーマンを鼻をつまみながら食べませんでしたか?
トマトやピーマンを嫌いな理由が、酸っぱいとか苦いとか味だけのせいならば、
鼻をつまんでも何の効果もありません。

鼻をつまんだら食べられるということは、
それは味そのものではなく、「においが苦手」だということになります。

















においの分子が鼻腔に入るには、二つの経路があります。

一つは、呼吸により鼻の穴を通り前方から入る場合です。
もう一つは、口の中、のどからほんの少し手前を通り後方から鼻腔に入る場合です。

口の中の食べ物のにおいは、鼻から息を吐き出すときに、かえって強く感じられるかもしれません。これは、肺から上ってきた呼気により口の中のにおいが運ばれ鼻腔に到達し、鼻の穴に排出されるからです。


鼻をつまんだ場合、口で呼吸することになります。
すると、口の中のにおいは鼻腔に上がらず、吸気とともに肺のほうへと送られてしまうので、口の中のにおいを鼻腔で感知しにくくなるのです。