2015年1月22日木曜日

「料理人なら知っておくべき“塩味”のコト 第2回(全4回)」

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  塩の原料は主に海水と岩塩です。岩塩は大古の海水が蒸発して堆積したもので、もとをただせばやはり海水です。








塩の製造方法は大きく分ければ、

1)海水を太陽熱で蒸発させ、その塩の結晶を得る方法、
2)海水などを濃縮し、それを釜に入れて煮詰める方法、
3)岩塩の採掘、

になります。

日本では塩の専売制のもと、1972年以来、ほぼイオン交換膜法という日本独自の方法で海水から作った高純度の食塩のみが生産・流通していましたが、1997年に塩の専売制度が廃止され、現在は自由な塩の製造販売が可能となり、輸入塩を含めてさまざまな塩が販売されています。



 海水中のミネラル成分は3.5%程度。微量な元素まで含めると100種類以上の物質が含まれています。
 
そのなかで塩化ナトリウムは約8割弱、次に多いのが塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウムで、これらでミネラル成分の99.6%以上を占めます。







塩化ナトリウム以外のミネラル成分は苦汁(にがり)といい、豆腐の凝固剤として知られています。

苦汁が多く含まれる塩を「ミネラルの多い塩」という言い方をしますが、そもそも塩はミネラルのかたまりです。

塩化ナトリウムは舌を刺すような塩辛さですが、マグネシウムは苦味、カルシウムは甘味、カリウムは酸味があり、塩の味にそれらの成分が影響します。

にがりはその名の通り苦味があり、含有率が多すぎると味が悪くなりますが、適度にふくまれていればむしろ塩をおいしく感じさせるのです。




 



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