2015年1月5日月曜日

「今さら聞けない“甘味”のコト 第3回(全4回)」

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
 
 人の生命活動のエネルギー源として重要な栄養素は、ブドウ糖です。ブドウ糖は、いわば自動車のガソリンに当たる人体の燃料で、血液中のヘモグロビンによって運ばれてきた酸素と反応して燃焼し、その際にエネルギーを生み出しています。




















脂肪も燃焼されて運動のエネルギー源となりますが、神経細胞は細胞内にエネルギー源を蓄えておくことができないため、脳などのエネルギー源になるのは血液中から取り込むブドウ糖だけです。人体が消費するエネルギーの約20%を消費している脳は、ブドウ糖の供給がなくなると数分でその機能を失ってしまいます。

人体組織中には糖質はわずか3%以下しか含まれていないため、糖質は食物から摂らなくてはなりません。食物による摂取エネルギーの60%程度は糖質から摂ることが好ましいといわれています。

また、神経活動が行われる際にブドウ糖が使われることから、血中にブドウ糖が豊富にあると記憶力が増す、といった実験結果も報告されています。さらに、ブドウ糖や砂糖などの甘味物質は、鎮痛や快感作用の効果を持ち、ストレスを解消し安らぎを覚えさせてくれるといった報告もあります。


 血液中のブドウ糖濃度である血糖値は、常に一定になるように保たれています。食事の直後にはブドウ糖が補給されるので血糖値は上がります。これを下げる働きをするのがインスリン。血液中に増えたブドウ糖に反応して、膵臓から分泌されるホルモンです。

このインスリンを膵臓が適正に分泌できない、あるいは、インスリンが正常に機能しなくて、血糖が恒常的に高くなるのが糖尿病です。糖尿病は、生活習慣病の代表的な疾患で、過食や運動不足などが要因と考えられています。

食後の血糖値の上昇を示す指標をグリセミックインデクス(GIGlycemic  Index)と呼びます。この値が低い食品ほど食後の血糖が上昇しにくく、糖尿病を起こしにくいといわれています。グリセミックインデクスの値を見ると、砂糖はそれほど高い値ではないことが分かります。

糖尿病や肥満によるさまざまな症状を持つ人でなければ、砂糖の摂取をきびしく制限する必要はないようです。

ただし、甘いものばかりを食べると、血糖値が上昇して満腹感は得られますが、他の食べ物が食べられなくなるので、必要な栄養素を摂取できなくなってしまう恐れがあります。

糖質が有効にその機能を発揮するのはたんぱく質やビタミン・ミネラルなどが補強し合った時。糖質以外の栄養素をバランスよく摂取することが大切です。



0 件のコメント:

コメントを投稿